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【保存版】少しでもお得に!冬の大セールに向けて知っておきたいカナダのショッピング・ルールとその活用術

毎年カナダでは、11月末に「Black Friday(ブラック・フライデー)」、12月末には「ボクシング・デー(Boxing Day)」という大セールがあり、この期間は多くの店で継続してセールが行われます。

「同じ商品であれば少しでも安く購入したい」と思う気持ちに国境はありません。ただしショッピングにおける習慣は国や地域によっても異なり、それらを理解しておかないと思わぬところで損してしまうことも。しかし逆にしっかり理解しうまく利用すれば、さらにお得にショッピングをすることができるようになります。

そこで今回は、カナダでショッピングをする上で絶対に知っておきたい、いくつかのルールをご紹介します。

返品&交換ポリシー

購入後、特定の期間以内であれば返品/交換ができるというポリシーで、「Return & Exchange Policy」などと呼ばれます。店頭での購入の場合はレシートの裏に、オンラインの場合はWebサイトに具体的な内容が記載されています。

大抵の場合は、「購入後14日以内または商品によっては30日以内に購入時と同じ状態であれば返品/交換可能」などと書かれています。開封し使用してしまったとしても、目立つ汚れがなく、箱や付属品が揃っていれば通常問題ありません。PCは開封後、セットアップし、ソフトなどインストールした後でもそのまま返品できます。

その他、家電、家具、衣類、パソコン、カメラ、アウトドア、スポーツ用品、ペット用品、アクセサリーなど、ほとんど全ての分野の商品が返品/交換可能です。それが北米のショッピング文化なのです。

返品/交換の際には、購入した際のレシートが必要となりますので、購入後しばらくの間は保管しておくようにしましょう。

返品/交換のポリシーを理解することにより、購入前の迷いが減り決心がつきやすくなるため、誰かに買われて売り切れてしまうことを防げます。また、大セール前、在庫がある内に欲しいもの(サイズや色など)を保険として購入し保管しておき、セール当日、同じ商品が安くなったら、同じものを購入し、前に買ったものを返品する、などの技も使えます。

中には衛生面や不正防止、その他の理由で返品/交換が難しい場合もありますので購入前に確認しておきましょう。

返品/交換が難しい例

  • PCソフトウェア/ゲームソフト
  • 最終セール品
  • 開封後のイヤホンやヘッドフォン(*)
  • 使用後の下着(*)
  • 使用後の靴(*)

(*)使用または開封したかどうか分からない状態であれば新品として返品/交換できる場合もあります。

オンラインショッピングの場合

オンラインで購入した場合でも同様に返品/交換はできますが、大抵、送料は自己負担となります。実店舗がある店の場合は、最寄りの店舗に直接返品しに行けば送料を払わずに返品が可能です。

最安値保証ポリシー

最安値保証(Lowest Price Guarantee)は、日本の家電などでよく見かける謳い文句で、「どこの店よりも安く販売する」というものですが、カナダでは家電に限らず様々な分野の店が同様のポリシーを掲げています。さらに、購入前だけにとどまらず購入後にまでそのポリシーが適用されることがあります。

購入

購入前の最安値保証というのは、「他店で安いところがあればその金額に合わせる」という意味で「Price Match Policy」などと呼ばれます。店員に他店の値札の写メを見せたり、口頭で伝えればWebサイトなどでチェックしてくれ、確認がとれれば同じ金額に合わせてくれます。一部の店では、差額の10%を調整後の価格からさらに割引してくれる場合もあります。たとえば、A店が $120、B店が $100 で差額が $20だった場合、A店では差額 $20の10%である $2をさらに割引き、$98にしてくれるというものです。

購入

購入後、特定の期間内にセールなどで購入金額よりも安くなった場合、その差額を返金してくれるポリシーで、「Price Adjustment」もしくは、「Price Protection」などと呼ばれます。

返品/交換ポリシーと同様、14日や30日などに設定されていることが多く、この期間内にWebサイトや店頭で安く販売しているのを発見した場合は、購入時のレシートだけ持っていくだけで差額返金の手続きをしてくれます。

一見、特別なことにようにも思えますが、実はこれ、一度返品してもう一度買い直すのと同じことなので、返品ポリシーの延長という言い方もできます。

オンラインショッピングの場合

オンラインショッピングの場合、価格調整を申告できる仕組みが導入されているところは少ないですが、Webサイトの問合わせからメールを送るなどすれば個別に対応してくれる場合があります。また購入後の価格調整による差額返金に関しては、対応してくれるところはかなり稀ですが、同じく問合せしてみる価値はあるかもしれません。

州税(PST)の節約

ご存じのとおり、カナダは州ごとにかかる税金の種類と税率が異なります。たとえばBC州では、国税(GST)5% と州税(PST)7% の計12%がほとんどの物品に課税されます。オンタリオ州は、州税が組み込まれた国税 HST 13%が課税されます。

従って、BC州在住者がトロントに旅行に行って買い物した場合、自動的にオンタリオ州の税金が課税されるわけですが、それではもしBC州在住者がトロントの店のオンラインストアで商品を購入した場合はどうなるでしょうか。

実はこの場合、特定の条件が重なると、州税(PST)が課税されないことがあります

下記では、州税が課税されない、この「特定の条件」について説明していきます。この条件を知ることで、最初からその状況を狙ってショッピングできるようになります。

州税が課税されない条件とは?

州税が課税されない特定の条件とは下記の2つです。

  • 購入者の州に州税があること
    州税が独立してある州は、BC州、マニトバ州、ケベック州、サスカチュワン州 の4州。州税がない、または国税と州税が一緒になったHSTを採用している州は対象外。
  • オンラインストアの実店舗が購入者の住む州にないこと
    たとえば、購入者がBC州在住者の場合、BC州にその店の店舗やオフィスがないこと。

上の2つは、あくまでも最低条件です。条件をクリアしているように見えても、実は倉庫や系列店があったり、また、仮に全ての条件を満たしていたとしても、最終的な課税判断は店次第となります。

課税されないオンラインストアを探すコツ

BC州在住の人は、既に 1⃣ はクリアしているので、2⃣ の条件を満たすオンラインストアを探すのが重要なポイントとなります。しかし、広く一般的に利用されているようなオンラインストアであれば、大抵人口の多い都市に実店舗やオフィスを構えているため、探すのは意外と難しいと思います。

そこで筆者の提案としては、量販店ではなく専門店のオンラインストアを探すことをお勧めします。たとえば、オーディオ、カメラ、自転車、スキー/スノーボード、e-スクーター、パソコンなどです。例を挙げるなら、最近人気の電気で走るキックスクーター「e-スクーター」の爆発的人気商品「Ninebot Segway MAX G30($1,199)」。バンクーバーの「Canadian Tire」で買った場合と、トロントの「Smart Wheel」で買った場合では、商品の価格はとんど同じでも、州税が課税されない分、$85.04 も安くなります。また、筆者が愛用しているカメラ「Canon R6($3,299)」は、バンクーバーではなくカルガリーの「The Camera Store」で買うことで $230 も安く買えます。

州税が課税されない理由

実は、オンラインストアの課税ルールには、購入者の居住地に沿った税金を課税するという原則があります。これは国をまたぐ場合も同様で、たとえば、BC州在住の人がアメリカを拠点とする店のオンラインストアで購入した場合、アメリカの税金はもちろん、カナダの税金も課税されないのが一般的です(配送時の関税は別)。

この原則に則れば本来、BC州在住者が他州のオンラインストアで購入した場合、例外なくBC州の税金がかかりそうなものですが、現実はそう単純ではありません。お店側は、税金を徴収したからには、当然それをきちんとした手段で納税する必要があり、そのためには、各州ごとに納税申請を行いそれぞれの納税番号を取得しないとならないのです。

また、各州はそれぞれ、州外を拠点とするビジネスに対して、納税の例外を定めていて、それに該当する場合は、州税を納めなくても良いと定めているのです。たとえば、BC州の場合は、他の州を拠点とするビジネスに対する納税の条件として「BC州の人に的を絞った宣伝/販売をしている」を含めています。言い換えれば、一般的なオンライン販売でカナダ国内の不特定多数の人に販売する場合は、BC州には納税しないでも良いということになり、結果、購入者に対しても課税しなくても良いとなるわけです。

Register to collect PST | British Columbia
www2.gov.bc.ca/gov/content/taxes/sales-taxes/pst/register

BC州以外の州に関しては、少なくともマニトバ州は同様のルールを設けています。しかし、州が定める納税ルールの例外の有無、またそれに該当するしないに関わらず、最終的な課税判断は店次第というのが現実です。

実際に確認したい場合は、そのサイトの購入画面で住所を入力し、購入確定の直前まで進めることで最終の金額が確認できるはずです。

冬のセールに向け、今回紹介したルールを存分に活用し、お得なショッピングを楽しんでください。

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hiro

Tamago TimesのWebやライター担当。2006年からバンクーバーに滞在。日本ではずっとWeb関連、カナダではワーホリ、留学生などへの情報案内やサポートをしながら、副業としてWeb作成やメンテナンス、デザイン、写真/動画の撮影・編集をしながら生活。執筆分野は主にIT、ガジェット、IT、現地情報、留学、ビザ、動物など。

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