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コロナ変異種の未来予想図がSNSで再拡散され話題に

今年2021年の夏にSNS上で拡散された、コロナ変異種の名前とそのリリース予定日の記された未来予想図ですが、6ヵ月経ち「Omicron」が出現した今、この画像に真実味が帯びてきているとして再度SNS上で話題になっています。果たして真偽はいかに?

話題の画像

下記が拡散された画像のオリジナル版です。

画像はスペイン語で書かれていて、下記が英語に翻訳した表です。

右側のロゴは誰もがご存知 「World Health Organisation (WHO)」「John Hopkins University」「World Economic Forum (WEF)」「Bill & Melinda Gates Foundation」です。

Variants Launching
DeltaJune 2021
EpsilonJuly 2021
ZetaAugust 2021
EtaSeptember 2021
ThetaOctober 2021
IotaNovember 2021
KappaDecember 2021
LambdaJanuary 2022
MuFebruary 2022
NuMarch 2022
KsiApril 2022
OmicronMay 2022
PiJune 2022
RhoJuly 2022
SigmaAugust 2022
TauSeptember 2022
UpsilonOctober 2022
PhiNovember 2022
ChiDecember 2022
PsiJanuary 2023
OmegaFebruary 2023

検証

COVID-19 は、政治的目的を達成するために計画されたイベントだと指摘する人が多いのも事実で、この画像は「それを正当化する根拠になり得る」と、一気に拡散されました。画像の右側のロゴは、今回のこの計画の首謀組織と位置付けられている機関です。

当初、いくつかの個人ブログやメディアでこの話題が取り上げられましたが、ほとんどのサイトでは、「掲載されるロゴの機関の公式サイトに情報がない」「既に出現した変異種の日付が実際の日付と異なる」などの理由で「 FAKE - 偽物 」だと結論付けていました。

今回の画像ですが、実は見る側の人の心理状態対によって見え方が変わってきます。

「COVID が計画されたもの」だという固定概念を持ってこの画像を見ると、何の疑いもなくこの画像が流出した計画書のような見え方になってしまいます。

実は今回拡散された画像、右の日付列を除けば、ただのギリシャ語のアルファベット表に過ぎません。下記がギリシャ語の全24のアルファベット表です。比較すると、最初の 「 alpha 」「 beta 」「 gamma 」の3文字が抜けているのみで、その後は全て下記の表と全く同じということが分かります。

アルファベット名称読み方
Αalpha アルファ
Βbeta ベータ
Γgamma ガンマ
Δdelta デルタ
Εepsilon エプシロン
Ζzeta ゼータ
Ηeta イータ
Θtheta シータ
Ιiota イオタ
Κkappa カッパ
Λlambda ラムダ
Μmu ミュー
Νnu ニュー
Ξxi クシー
Οomikron オミクロン
Πpi パイ
Ρrho ロー
Σsigma シグマ
Τtau タウ
Υupsilon ウプシロン
Φphi ファイ
Χchi カイ
Ψpsi プシー
Ωomega オメガ

WHOは今年5月の時点で、ギリシャ語のアルファベットを順番にコロナの変異種に名前を付けていると公式サイトでも紹介しています。併せて、いくつかのアルファベットは飛ばしていることもCNNのサイトで紹介されていました。

WHO は 「nu」とその次の「xi」を飛ばして、15番目の「Omicron」を採用。理由は、nu は「new」と混同されやすい。xi は一般的な姓であることから使用しなかった、と CNNに説明。

www.cnn.co.jp/amp/article/35180127.html

今回の画像が最初に拡散されていたのが夏ごろ。WHOの案内を見た後、 ギリシャ語のアルファベットに日付を追加するだけであれば誰でも簡単にこの画像を作成できることになります。そして、実際の変異種出現の日付が大幅にズレている点などから、この画像に関しては誰かが遊び半分で作った「FAKE - 偽物」と判断しても良いのではないかと思います。

今回の検証結果は、COVID反対層の人やそれらの理論自体を否定するものでも、また肯定するものでもありません。重要なことは、現代はSNS含むインターネット上には誤った情報が蔓延しているということ、また、発信元の大小に関わらずそれらの情報を鵜呑みにするのはとても危険だということです。裏付けをたくさん取り、固定概念を捨て、論理的に考えるということは、この時代で誤った情報に惑わされずに生きていく基本条件なのかもしれません。

参考サイト

コロナ変異株「オミクロン」命名、WHOがアルファベットを2つ飛ばした理由は?
www.cnn.co.jp/amp/article/35180127.html

Fact Check: Sham list of Covid-19 variants' 'release dates' viral on internet
www.indiatoday.in/fact-check/story/fact-check-sham-list-of-covid-variants-release-dates-viral-on-internet-1834437-2021-07-29

Viral Photo Listing 'Release Dates' of COVID-19 Variants is Fake
www.thequint.com/news/webqoof/release-date-of-covid-19-variants-list-fake-fact-check

Naming SARS-CoV-2 variants
www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/

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hiro

Tamago TimesのWebやライター担当。2006年からバンクーバーに滞在。日本ではずっとWeb関連、カナダではワーホリ、留学生などへの情報案内やサポートをしながら、副業としてWeb作成やメンテナンス、デザイン、写真/動画の撮影・編集をしながら生活。執筆分野は主にIT、ガジェット、IT、現地情報、留学、ビザ、動物など。

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