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複利マジックを利用した現実的な毎月の積立金で安定したリタイア生活を送る

いつか、老い、病気、あるいは怪我で働けなくなり、リタイアする日が誰にでもやってきます。そうなった時、預金を取り崩して生活していく事になります。あなたの預金は何年あなたの生活を支えることができるでしょうか。

年金は以前より縮小され、遠い将来、今と同じ状態で存在している可能性は低いため、リタイアプランに年金を含めるのは現実的ではありません。「もらえたらラッキー」程度に思っているくらいがちょうど良いと思います。

それでは安心してリタイアするには一体いくらの預金が必要になるのか具体的に見ていきましょう。

リタイア後の自分を想像してみる

リタイヤ後に必要な預金額は、リタイア後の生活何歳でリタイア何歳まで生きるのかによって大きく異なってきます。

❶ リタイア後の生活

リタイア後、どんな生活をしているのか、またどんな生活をしたいのか想像してみましょう。

  • 旅行は年に何回して、一回の費用はいくらか?
  • 家のローン、または家賃の支払いはあるか?
  • 毎日何をしてるか?
  • 子供は独立しているか?

上記などを考慮すると、現在のお金で毎月いくら必要になるでしょうか。

❷ リタイアする年齢

何歳でリタイアしたいか考えてみましょう。55歳?、65歳?

その年齢まであと何年ありますか?例えば現在30歳で、65歳にリタイアすると仮定し、リタイアまで35年の猶予があるとします。❶で答えた毎月の出費額が $3,000 だった場合、35年後の $3,000 は、今と同じ価値ではありません。過去数十年を見る限り、毎年約 2%の物価上昇が起こっていますので、35年後、現在の月$3,000の生活をするには、なんと月約$5,900も必要になります。年収にすると $71,000です。そんなに?!という声が聞こえてきそうですが、それが現実なのです。

Inflation Calculator | Bank of Canada
www.bankofcanada.ca/rates/related/inflation-calculator/

❸ リタイア後からの生きる年数

これは予想できるものではありませんが、現在カナダの平均寿命は 82歳。そして95歳以上の長生きグループの人が 8万人以上もいます。もし仮に長生きグループに入ったとすると、リタイア生活が30-40年にもなります。

Life expectancy at birth, total (years) - Canada | World Bank
data.worldbank.org/indicator/SP.DYN.LE00.IN?locations=CA

Population estimates | Statistics Canada
www150.statcan.gc.ca/t1/tbl1/en/tv.action?pid=1710000501

利息で生活するための必要な預金額

さてそれでは一体、いくら預金があればリタイア生活を安心して過ごす事ができるのでしょうか。

上でも書きましたが、残念なことにカナダの年金額は以前よりも減ってきていて、全くあてにはできません。しかし、自分の預金が年利 5%の利息を生み出し、その額が年間の生活費になるとしたらどうでしょう?何年生きても預金が底をつく心配はありません。

上の例では、年間に必要な額は $71,000 でした。この額を利子として得るために必要な預金額を計算してみます。

(?) ✖ 5% = $71,000

さて、(?)の部分はいくらでしょう?

$1,420,000 です。
日本円で約 1億3千万円

これだけの預金があれば、利子のみで希望の生活をすることが可能となります。

毎月の積立額

1億円と聞くと一見不可能な額だと思われてしまうかもしれませんが、早いうちからしっかり計画を立て地道に積み立てていけば、ごく一般の会社員でも十分貯められる額なのです。たとえば、現在30歳の人が、毎月$500を35年間積み立てていった場合、単純計算では下記のような結果となります。

$500 x 12ヵ月 x 35年 = $210,000.00
日本円で約1千9百万円

しかし、これは利子がゼロだった場合。仮に、年利 8% のところに、同じく毎月 $600 を積み立てていった場合はどうなるでしょうか。

なんとっ!

$600 x 12ヵ月 x 35年 = $1,376,329.00
日本円で約 1億2千500万円

一気に目標達成です!

これが複利効果、通称「複利のマジック」なのです。

複利のマジック

なぜこのような大きな差になるかというと、毎月積み立てていったその預金額と、それについた利子分に対して、さらに利子がついていくため、下記のグラフの方に雪だるま方式に大きな額になっていくのです。このように利子にさらに利子がつくことを複利と言います。分かりやすい例でたとえると、年利 5% の機関に100万円を預けた場合、1年で105万円になりますが、次の年は、110万円ではなく、110万550円になります。元々利子でついた 5万円に対しても利子がついたわけです。これを複利効果と言います。

Compound Interest Calculator(複利計算)

投資先

それでは果たして一体どこに積み立てれば上の例で紹介した 8%の利子を受け取ることができるのでしょうか。

現在、カナダの銀行の利息はとても低く、一定の金利が保証された投資(GIC)で 0.5 - 2% など、毎年上がるインフレーションレートにすら及ばない場合が多いので、預金額の価値は年々目減りしていくことになります。

8%以上の利益をだす投資先は投資信託SEG FUND仮想通貨債権などいろいろあります。これらの中から自分に合ったものを見つけるには、それぞれの特徴やリスクをしっかり知る必要があります。一般の人は通常、情報収集から始めることになりますが、仮に誤った投資をしてしまうと、期待通りの結果を得られないどころか、財産を減らしてしまうことにも繋がってしまいます。

SEG FUND

Segregated Fund(セグファンド)とは、保険会社からの投資商品「Mutual Fund」と同様に株式市場に投資しその収益を分配する金融商品。税金を支払わずにお金を増やす(Tax deferred)生命保険も合わせ持つので、相続対策にもよく使われます。

投資は、どれだけのリターンを期待し、また、どれだけのリスクを許容できるかをしっかり把握した上で自分に合った投資先を選ぶことが大切です。

もし自分で調べるのが難しい、自信がないという人は、専門家に相談される事をお勧めします。

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福田

大阪出身。日本の証券会社で4年、カナダでは10年、「FINANCIAL EDUCATOR & ADVISOR」として活動中。ワークショップなども開催。趣味は、SALSA、TENNIS、HIKINGなど。

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