
2021年9月、エルサルバドル共和国が世界で初めてビットコインを法定通貨に採用したというニュースは記憶に新しいと思います。身近なところでは、ノースバンクーバーが世界で初めてビットコインのマイニングで発生する熱を地域建物の暖房に利用する計画を発表するなど、もはや仮想通貨は一時的なブームではなく生活の一部になり始めていると言えるかもしれません。
また、仮想通貨で大儲けしたなどという夢のような話を聞くことも増え、今まで仮想通貨に無関心だったものの、少し買ってみたいという気持ちが芽生えた人もいるのではないかと思います。
今や世界で1万種類以上あると言われる仮想通貨の種類ですが、ビットコイン以外は総称して「オルトコイン(alternative coins)」と呼ばれているほど、ビットコインは仮想通貨の代表格。今回はそのビットコインをカナダで購入する方法を紹介します。
ビットコインの基本情報
ビットコインは、2008年に Satoshi Nakamoto と名乗る人物によって提唱され、2009年に使用が開始、そして2010年に、ビットコインを取引可能な最初の取引所が誕生しました。今ではビットコインは世界で最も多く取引されている時価総額1位を誇る仮想通貨で、希少性、信頼などから「デジタルゴールド」、または「次世代ゴールド」などと呼ばれることがあります。
ビットコインは誕生した当時から、発行枚数が2,100万枚とプログラムに組み込まれていて、これ以上発行されることはありません。2022年4月の時点で既に 1,900万枚が発行され90%を超えているものの、新しいビットコインの供給は4年ごとに半減するなど次第に遅くなる仕組みのため、最後のビットコインがマイニングされるのは2140年頃(118年後)と予測されています。
通貨単位 | BTC |
最小単位 | 0.00000001 BTC (= 1 Satochi) |
考案者 | Satoshi Nakamoto(サトシ ナカモト) |
使用開始 | 2009年 |
発行上限枚数 | 21,000,000枚(2,100万枚) |
現在の発行枚数 (2022年4月5日時点) | 19,003,706枚 |
時価総額 (2022年4月5日時点) | ¥106,718,639,614,224(106兆円) |
公式サイト | bitcoin.org |
ビットコインは下記のチャートを見て分かるとおり、2017年初旬では1ビットコイン数百ドル(数万円)程度でしたが、徐々に徐々に上昇し続け、2020年に入り著名人や大手企業、金融機関によるビットコインへの参入により9月ごろから一気に高騰し、その後一度下落するものの、2021年には過去最高値である $85,000(770万円)を記録しました。途中、急激な上昇や下落が見られるものの、全体で見ると着々と価格を上げており、今年中に $100,000(1,000万円)を超えると言っている投資家が多いのもうなずけます。
ビットコインの取引所

ビットコインを購入するには、ビットコインを取り扱う「取引所」を利用するのが一般的です。取引所は世界中にありますが、アカウント作成(口座開設)には身元証明の提出が必要となるため、自分の居住国でサービスを提供する取引所を選択する必要があります。今回はカナダ在住の人向けの記事なのでカナダの取引所を紹介します。
カナダ国内の取引所をネットで検索すると多数ヒットしますが、その中には、「カナダ国内の取引所」と「カナダ国内でサービスを提供するカナダ国外の取引所」が混在しています。しかし国外の取引所の場合、取引所の口座への入金方法として、送金、またはクレジットカードしか対応していない場合も多く、これだと手数料が高くついてしまいます。
一方、カナダ国内の取引所の場合は eTransfer に対応しているため、少額の場合でも手数料を安く済ませることができます。
下記に仮想通貨関連のWebサイトで良く紹介される取引所を紹介します。
カナダの取引所
下記は全てカナダ発のカナダの取引所で、全て eTransfer に対応しています。
- CoinSmart(トロント)
- Bitbuy(トロント)
- NDAX(カルガリー)
- Newton(トロント)
- Coinberry(トロント)
- Shakepay(モントリオール)
- Coinsquare(トロント)
- VirgoCX(トロント)
- Wealthsimple Crypto(トロント)
元々は株取引専用の取引所で2020年に仮想通貨に対応しました。カナダ株の取引は完全無料なので良いですが、仮想通貨の購入は手数料が割高なので、仮想通貨のみの運用ならお勧めしません。
カナダで利用できる国外の取引所
下記はカナダ国外の取引所ですが、カナダ居住者にもサービスを提供しています。
- Binance Canada(中国)
eTransfer 未対応 - Crypto.com Canada(シンガポール)
eTransfer に対応 - Gemini(アメリカ)
eTransfer 未対応 - Coinbase(アメリカ)
eTransfer 未対応
Binance は、1日の取引高が3兆円を超える世界最大の仮想通貨取引所。取り扱い通貨も非常に多く、取引手数料が安い上に、ただ預けておくだけで報酬(金利)を得ることができるステーキングやセービングなど収益を得るためのサービスも多数提供しているため、仮想通貨を長期的な投資と考えている人は、カナダの取引所で購入した仮想通貨を Binance に送金して運用した方がお得です。
取引所の選び方

取引所を選ぶポイント
上で紹介した以外にもまだまだ多数取引所は存在し、それぞれ特徴が異なるため、目的によって良し悪しは変わります。ここでは取引所を選ぶ際のポイントをいくつか紹介します。
仮想通貨の取り扱い数
ビットコインは全ての仮想通貨取引所で取り扱っていますが、それ以外のオルトコインに関しては、取引所によって数、種類が大きく異なります。もしビットコイン以外のオルトコインの購入を検討している場合は、事前に取り扱い数、種類を確認しておく必要があります。ちなみに上で紹介した「Shakepay」はビットコイン(Bitcoin)とイーサリアム(Ethereum)のみ、それ以外の取引所は主要オルトコイン含め多種の仮想通貨を取り扱っています。
手数料
取引所を比較する上で最も重要な要素とも言えます。手数料にはいくつか種類があり、取引所によってもその有無は異なりますが、一般的には下記のような手数料が存在します。
- 入金手数料(Deposit fee)
eTransfer や 送金などで取引所の口座に入金する際の手数料です。無料から数パーセントなど様々です。 - 取引手数料(Trading fee)
仮想通貨の売買の際に上乗せされる手数料です。 - 販売価格に組み込まれた手数料(Spread fee)
販売価格に盛り込まれた手数料です。取引所によって販売価格が異なるのはこれのせいです。この手数料は非公開のところも多く、その額は各仮想通貨によっても異なります。 - 出金手数料(Withdrawal fee)
カナダドルの銀行に入金したり、仮想通貨を他の取引所やウォレットに送金する場合の手数料です。出金する通貨ごとに手数料が異なる場合もあります。 - ネットワーク手数料(Network fee / Transaction fee)
ブロックチェーンに記録する処理をするマイナーに支払われる手数料です。ETHなら Gas fee、BTCなら Mining feeなど。送金する仮想通貨によってレートは異なります。
付加価値の有無
一部の取引所では「ステーキング」「定期預金」「ファーミング」「ローンチパッド」など、仮想通貨を預けて報酬を得られるサービスを提供しています。銀行の金利よりも遥かに高いものが多いため、長期保有する人にはかなり有効な投資になります。
取引所のアカウント作成(口座開設)に必要なモノ

仮想通貨の取引所を利用するには、まずはアカウントの作成(口座開設)が必要となります。アカウント作成には、マネーロンダリングなど不正利用を防止する目的として「KYC(Know Your Customer)」と呼ばれる本人確認が必要となります。
手続きは全てWebサイト上で完結でき、郵送でのやり取りは一切不要です。必要となるものは取引所によっても多少異なりますが、通常は下記のものが必須となります。
- メールアドレス
アカウント作成、ログインの際に使用 - 携帯電話(スマートフォン)
テキストが受信できるもの - 身分証明書
運転免許、PRカード、パスポートなど - 顔写真
スマホでの自撮りなど
本人確認にかかる時間は通常は数分から数時間で、完了すると登録したメールアドレスにその通知が届き、そこで初めて取引ができるようになります。
入金と取引の操作

アカウントの作成が無事に完了したら、次は入金と取引。今回は、NDAXという取引所のPC版の画面を例に説明します。スマホ向けアプリの場合はメニューなどの配置が異なりますが、流れは全く同じです。
カナダドルの入金
取引をするために、まずカナダドルを入金します。取引所のWebサイトにログインすると、「ウォレット(wallet)」というメニューがあり、ここに保持する通貨が一覧で表示されるようになっています。カナダの取引所の場合はこの中に「カナダドル」があり、入金するとココの残高に反映されます。
ウォレットには、各通貨ごとに「受取り」「送金」の機能があります。今回はカナダドルの入金なので、「カナダドル」のページの「RECEIVE」をクリックします。

入金方法にはいくつか種類がありますが、大金などでない限りは eTransfer が無難です。eTransfer の限度額や手数料は銀行側の設定に依存します。eTransfer の場合は「INTERAC E-TRANSFER」をクリックします。

eTransfer を選択すると、自分専用の送金宛先が表示されるので、銀行のアカウントからこの内容に従って手続きを行います。

- 赤枠の番号はアカウントを特定するために使用されるため、必ず eTransfer のメッセージ欄に入れてください。
- 取引所のアカウントと送金者は同一人物である必要があります。
ビットコインを購入する
入金ができたら早速ビットコインを購入してみましょう。
左メニューから「Trade」をクリックし、トレード画面を開きます。
通貨の選択
左下に取り扱い通貨の一覧が表示されているので購入したい通貨を選択します。今回はビットコインを購入するので 「BTC(ビットコイン)/CAD」をクリックします。「BTC/CAD」は、1ビットコインの価格がカナダドルで表示されます。カナダの取引所は通常、カナダドルが標準となりますが、他の国の取引所など、カナダドルを扱わないところでは、カナダドルとのペアではなくBTC/USDなどで価格を判断することになります。

取引(購入)
右上の緑のボタン「BUY」をクリックすると、購入の画面が表示されます。購入にはいくつかのオプションがありますが、「MARKET」と「LIMIT」だけ覚えておけばとりあえずは十分です。とりあえずビットコインを保有しておきたいという場合は、「MARKET」を選択し、希望のカナダドルを入力すれば、その額分のビットコインが購入できます。

- MARKET(成行注文)
注文した時の市場に出ている最も安い価格の売り注文とマッチさせて取引します。とりあえず今の価格で買っておきたいなどの場合に有効です。注文を出した時に大きな値動きがあった場合には予期せず高い価格になってしまったり、またその逆もあるので、多少上下することを想定しておく必要があります。 - LIMIT(指値価格)
取引したい価格を指定して注文を入れ、指定価格を下回る売り注文とマッチさせて取引します。希望の価格で取引できるメリットがありますが、逆にその価格に合った売り注文がなければ取引されず、そこから市場価格が上昇すれば購入チャンスを逃してしまうことになります。
ちなみに「STOP(逆指値注文)」というのは、買いの場合は「指定した価格を上回ったら買う」、売りの場合は「指定した価格よりも安くなったら売る」注文方法のことです。たとえば、急激な下落などで損失を最小に防ぐ「損切り」の設定などで使用します。
購入が完了すると、ウォレットのビットコインの残高が更新されます。
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