こんまり流は、場所別ではなくモノ別の片づけになります。「どうして場所別に片づけないの?」という声が聞こえてきそうですので、まずはそのことについて説明します。
場所別に片づけをした場合、あるカテゴリーのモノを片づけたあと、別の部屋で同じようなモノが見つかると、それをまた片づけることになってしまいます。これでは、全てのモノをどのくらい持っているのか把握しにくい上に、モノが増えていくことにも気付きにくくなってしまいます。モノの総量を把握しないままの片づけは、リバウンドしやすく、また元のモノの溢れる部屋に戻ってしまいやすいのです。
モノを違う部屋に移動するだけでは根本的な片づけに至らない

また場所別の片づけでは、「これは寝室においた方がいい」、「これはリビングの方へ持っていこう」、「これは子供部屋」、「そしてまた子供部屋からリビングへ」、というふうにモノをただ移動するだけになってしまうことがあります。
たとえば衣類では、上着がリビングの椅子の上、子供の帽子が玄関に、また上着はベットの上に置かれたままで、これを移動してもまたすぐに同じ状態へ戻ってしまいます。文房具なども、子供部屋からリビングのキャビネットにと、無意識にモノを移動するだけの片づけをしていると、自分がどうしても使いたい、必要なときにそのモノが見つからない、ということに繋がります。このように、モノの定位置が決まっていないと、永遠に同じことを繰り返すループにハマってしまうことにもなるのです。
では、何をどこからすればいいの?

こんまり流片づけの正しい順番は下記のとおりです。
- 衣類
- 本類
- 書類
- 小物
- 思い出品
そしてこの順番で、全出し、全てのモノを一箇所に集めて出す作業をします。なぜこの順番で片づけるのかというと、この順番が一番簡単なわかりやすい順番だから。衣類は手に取った時や肌に触れた感覚で、ときめくか、ワクワクするか、幸せに感じるかが最もわかりやすいのです。キッチンや思い出品の大掛かりなものから始めると、まだそこまでときめく感覚が研ぎ澄まされてない状態のため、挫折しやすくなってしまいます。写真の片づけで、ついつい懐かしく見入ってしまい進まないこともあります。トキメキやワクワク感を感じられるカテゴリーをしっかり定め、モノから片づけを進めていきます。
モノ別の片づけを更にサブカテゴリーに分けるとスムーズ

衣類から始めて、トキメキで選んで残すモノを決めたときに、サブカテゴリーごとに仕分けして置くと、収納するときに便利です。小物の片づけは、ジャンルが広いので、ご自身のやり易い簡単なモノのサブカテゴリーとして選んでから、トキメキチェックで残すものを大切に選んでいきます。大掛かりになるキッチンのモノは、最後にやる方がスムーズに進めます。
サブカテゴリーをまとめてみると、
衣類
トップス、ボトムス、靴下、下着、ジャケット・コート類、バック、靴、小物(ベルト、不カーフ、帽子など)
本類
一般書籍(小説/ビジネス)、実用書(参考書/レシピ)、観賞用、雑誌、漫画
書類
郵便物、広告、取扱説明書、契約書類、仕事関係、学校関連のモノ、銀行や領収書、趣味系、セミナー系、年賀状や手紙、名刺
小物
CD/DVD、スキンケア用品、メイク用品、貴重品、機械系、生活用品(文房義/裁縫道具)、ジュエリー、タオルやリネン類、消耗品、薬や救急箱、趣味系、アウトドアー系、掃除用具、キッチン類(作る道具、食べる道具、食品類)、消耗品、お弁当、お菓子作りグッズ、シンクの洗い物用品
思い出品
子供の作品類、スポーツの記念品、身内の遺品、アルバム、写真類
アルバム、写真は時間が掛かるため、あえて最後に回しています。
全ての総量を把握することが大切

こんまり流では、自分の持っている全ての総量を把握する、自分の目で確かめることが重要であることを伝えています。これは、ある意味ショック療法にも見えますが、自分がこんなにたくさんのモノに囲まれていたということを改めて認識すると、「果たして自分はこんなにたくさんのモノを必要としているのか?」と自分に問いかけることもできます。そうすることで、自分にとって大切なときめくモノを残し、逆に手放すものも選びやすくなります。
自分の適量や空間の定期量もわかる

こんまり流片づけは、モノ別に全出しします。最初に、衣類の片づけでは全ての衣類を一箇所に集めます。
玄関のクローゼットの上着から、冬物、夏物、全て出します。すると、同じような靴下がたくさん出てきたり、存在すら忘れていたような服を発見したり、それら全てのモノを自分の目で見て、触って判断することができます。
クローゼットやタンス、引き出しに入ったままだと、残すものと手放すものの判断ができません。そして全てを出すと、空っぽになったクローゼットのスペースや引き出しのスペース、自分がどのくらいの収納の空間があるのかもわかるので、どのくらいの量を持っていたら自分の収納にふさわしいかが、感覚で判断しやすくなります。
次の買い物で何を買うべきかわかる

全てのものをカテゴリーごとに出して片づけをすると、自分がトキメキで残しているモノがわかり、次の買い物でどんなモノを買っていこうか判断できるようになり、また同じものをいくつも買ってしまう悪循環からも抜け出すことができます。
洋服の趣味なども年々変わってきます。古い年代のモノ、もう趣味が合わないモノなどが判断できるようになります。食料品も同様で、全て出してみると、賞味期限がとっくに過ぎているもの、同じ缶詰がたくさんあったということも発見できて、買い足すモノ、しばらく買わずに済むモノがわかるようになります。
モノ別の片づけは必ず終わる

モノ別にと言っても、全てを出すととてもお大掛かりな作業になるので、ちゃんと片づけが終わるのか心配だという人もいるかと思います。しかしご安心ください。今家にあるモノたちは無限ではありません。モノ別に一つ一つトキメキで選び、洋服の次は本類とこんまり流の順番通りに進めていけば、片づけは必ず終わらせることができます。
「同じカテゴリーのものを一気に片づけをしていく」、これがモノ別の片づけのポイントです。
みなさんもモノ別の片づけを体験して、自分で選び抜いたモノたちに囲まれた暮らしを始めませんか?びっくりするくらい自分の人生のあり方や、暮らし方が幸せいっぱいに満たされること間違いなしです。