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公共交通機関トランスリンクの格安運賃「Concession(コンセッション)」とは?ワーホリや留学生でも使える?

バンクーバーの公共交通機関トランスリンク(TransLink)の運賃を見ると、その中に「Concession(コンセッション)」という項目があります。日本語だと「特権」というような意味になりますが、これは一体どんなもので誰が利用できるものなのでしょうか。カード自体は Compass Card と同じプラスチック製で前面がオレンジとなります。

実は日本人のワーホリや留学生でも Concession を使用している人が実は結構いるので、今回はこの「Concession」についての概要と、利用する上でのリスクや注意事項などを紹介します。

Concession 対象者

トランスリンクの公式サイトには、Concession 運賃が利用できるのは下記と案内されています。

  • HandyCard 保持者
    バンクーバーエリアに住む12歳以上で、補助が必要な身体に障害がある人
  • 65歳以上のシニア
  • 14歳-18歳の青年
    要写真付きIDの同時携帯
  • 5歳-13歳の子供

14歳-18歳に関しては写真付きIDの携帯が必須と書いてありますが、65歳以上5歳-13歳に関してはIDの携帯が必須と書いていないので、見た目がその年齢であれば問題ないということになります。

しかし、残念ながら一般の大人については対象外で、ワーホリや留学生などもほとんどの場合未対象ということになります。

Concession の購入場所

Concession Card(オレンジ)は、LondonDrugs や、スタジアム・チャイナタウン駅前の「Compassカスタマーサービスセンター」などで購入することができます。Adult向けの Compass Card(青)と異なり、駅の券売機では購入することができません

カード購入時、通常は年齢証明などは必要ありませんが、店や人によっては聞かれる可能性もあります。もしその時に持っていなければ「観光でカナダに来る両親のために購入する」などと言えば大抵は問題ないと思います。

カードさえ購入してしまえば、チャージ方法は通常の Compass Cardと全く同様、駅の券売機やオンラインで希望の乗車券を追加することができます。

Find a Retailer | Compass Card
compasscard.ca/FindRetailer

運賃比較

さて、果たしてConcession の運賃はどの程度安いのでしょうか。各乗車券のタイプごとに大人料金と比較してみましたのでご覧ください。

現金
タイプ1 ZONE2 ZONE3 ZONE
Adult$3.05$4.35$5.90
Concession$2$3$4.05
チャージ利用(Stored Value)
タイプ1 ZONE2 ZONE3 ZONE
Adult$2.45$3.55$4.60
Concession$2$3$4.05
定期券
タイプ1 ZONE2 ZONE3 ZONE
Adult$100.25$134.00$181.05
Concession--$57.30
1日券
タイプ1-3 ZONE
Adult$10.75
Concession$8.45

この比較を見ると、Concessionの定期券が他と比べて圧倒的に安いのが分かると思います。これだけ差が大きいと非常に魅力的に感じてしまいます。

U-Pass

UBCやSFU、Capilano University、Langara College など、提携する特定の専門学校や大学の学生であれば、「U-Pass」定期券が使用できます。料金は 2022年は $43.35/月とConcession よりもお得です。

U-Pass BC
translink.ca/transit-fares/u-pass-bc

バレるリスクと罰則

以前は、スカイトレイン車内や駅でTransit Police(交通警察)がランダムで乗車券のチェックをしている場面を見ることがありましたが、Compass Card の自動改札が導入されて以来、そのような場面を見ることはすっかりなくなりました。しかし最近、Waterfront駅の改札を出たところでチェックされたという話を聞きましたので、全くチェックしていないというわけではなさそうです。

それではもし、Concession 対象者ではないのにも関わらず、使用していて見つかった場合はどうなるのでしょうか。

その場合、運が良ければ注意で済むこともありますが、そうでない場合は通常は $173 の罰金となり、その場でチケットを渡されることになります。過去にワーホリや留学生でも実際に罰金のチケットを渡された人がチラホラいます。

現実問題

とは言っても、実際はワーホリや留学生、観光での中~長期滞在者など意外と多くの人がこれらのリスクを把握した上で、もしくは知らずに利用していて、ほとんどの場合は滞在中一度も見つかることなく帰国しているのが現実です。そもそも Compass Cardは、2015年に正式に実施が開始されたばかりの信頼で成り立っている部分が残る発展中の運賃システムであるのも事実。そういう意味では少し大目に見られているのかもしれません。

ここまでリスクが少ないことを強調しておいて何ですが、決して知らないふりをして利用することを推奨しているわけではありません。しっかりと仕組みとリスクを理解した上であとは各自の責任でご判断ください。

参考サイト

Pricing and Fare Zones | TransLink
translink.ca/transit-fares/pricing-and-fare-zones

Compass Card
compasscard.ca

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hiro

Tamago TimesのWebやライター担当。2006年からバンクーバーに滞在。日本ではずっとWeb関連、カナダではワーホリ、留学生などへの情報案内やサポートをしながら、副業としてWeb作成やメンテナンス、デザイン、写真/動画の撮影・編集をしながら生活。執筆分野は主にIT、ガジェット、IT、現地情報、留学、ビザ、動物など。

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